昨年末、奥多摩の実家で神棚を掃除していた。父親が7年前に他界し、おふくろも高いところに登るのが危なくなっており、おのずと役割がまわってきている。
大きめの神棚が寝室の天井付近に東向きに祀られており、小さめの神棚が居間に南向きに祀られている。

 その南向きの神棚に恵比寿と大黒天の像が大小6対ほど一緒にひしめき合っている。
大黒様の頭を拭きながら、「なんでこんなに恵比寿様と大黒様があるの?」とおふくろに聞いてみると、「お父さんが大事にしていたから、そのままにしているのよ」との事。恵比寿様も大黒様も七福神なのでご利益がありそうである。でも他にどんか神様がいるのだろうか。

ということで、今回は 七福神って何?


七福神● 七福神とは
 福をもたらすとして日本で信仰されている七柱(ななはしら)の神である。七柱は一般的には、恵比寿、大黒天、毘沙門天、布袋、福禄寿、寿老人、弁財天とされており、それぞれがヒンドゥー教、仏教、道教、神道など様々な背景を持っている。

 「七難即滅(しちなんそくめつ)七福即生(しちふくそくしょう)」の説に基づくように、七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われている。

 七福神の信仰は、室町時代の末期のころより生じ、当時の庶民性に合致して民間信仰の最も完全な形となって育てられてきました。特に農民、漁民の信仰として成長し、現代に今も生き続けてきたようです。
それでは、七福神それぞれについて調べていきましょう。


恵比寿● 恵比寿(えびす)
 七福神中で唯一の日本の神様。伊弊諾尊(いざなぎのみこと)伊弊舟尊(いざなみのみこと)の間に生まれた蛭子尊(ひるこのみこと)といわれる。満三歳になっても歩かなかったため、(あし)の船に乗せられ流されてしまい、やがて漂着した浜の人々の手によって手厚く祀られたのが、信仰のはじまりと伝えられている。

 漁民たちには時折浜に打ち上げられる鯨やサメなどを神さまからの授かり物として受け止める習わしが古くからあったという。皆で分け合い一時の「福」を得る。流された蛭子が海人たちに漁業や交易、交通などの神、恵比寿さまとして敬われる素地は古くからあった。かつて海は陸上よりも発達した交通路だった。恵比寿さまを祭る神社は瀬戸内海や日本海の海岸線などに散在する。遠方から福を運んできてくれる寄神(よりがみ)客神(まろうどがみ)と信仰を集めてきたようだ。

 烏帽子に狩衣、右手に釣り竿を持ち、左手に立派な鯛を抱えた姿で描かれる。古くは漁民の守護神だったが、後に商いの神に。大黒天と対で福の神として、庶民の信仰を集めた。

ご利益:商売繁盛、 除災招福 ( じょさいしょうふく ) 五穀豊穣 ( ごこくほうじょう ) 、大魚守護


大黒天● 大黒天(だいこくてん)
 もともとは、マハーカーラと呼ばれるヒンドゥー教の神で、創造と破壊を司るシヴァ神の化身。仏法守護の神として伝来したが、後に日本神話の 大国主命(おおくにぬしのみこと)と結びつき、福の神として信仰された。大地を掌握する神様(農業)でもある。
大きな袋を背負い、打出小槌をもち、頭巾をかぶられた姿が一般によく知られていて財宝、福徳開運の神様として信仰されている。

 マハーカーラは「偉大な黒」を意味し、ヒンズー教で暗黒をつかさどる神さまだった。日本に持ち込んだのは最澄という。同時に財運をもたらす神として信仰され、日本では財神として渡ってきた。大国主神は古事記の国譲りのエピソードで知られる重要な神さまで、「だいこく」とも読めたことから合体したという説が有力である。

ご利益:五穀豊穣、子孫愛育、出世開運、商売繁盛


毘沙門天● 毘沙門天(びしゃもんてん)
 四天王の一神で、財宝の象徴である北方の守護神。別名「多聞天」といい、七福神の中で、唯一の武将の姿をして、融通招福の神として信仰されている。ルーツはヒンドゥー教の神で、仏教とともに伝来した。甲冑を着けて矛と宝塔を持ち、邪鬼を踏む姿で描かれる。
古くは武運の神として上杉謙信ら戦国武将の信仰を集めた。

ご利益:武道成就、 降魔厄除 ( ごうまやくよけ ) 、家内安全、夫婦和合


布袋尊● 布袋(ほてい) 
 いつも笑顔を絶やさず人々に接していた人で、大きな袋には宝物がいっぱい入っていて、信仰の厚い人に与えられたという。笑門来福、夫婦円満、子宝の神として信仰が厚い。
七福神中、唯―の実在人物。中国の戦国時代の禅僧で名を契此(かいし)といい、諸国を放浪して預言、託宣(たくせん)を行い、優れた予知能力から弥勒菩薩の化身とされた。福々しい笑顔と太鼓腹、肩に下げた大きな袋が特徴。この袋は喜捨物を入れる袋だが堪忍袋ともいわれ、人格を円満に導く功徳ありとされる評知と和合金運招福の神。

ご利益:千客万来、家運隆盛、家庭円満、商売繁盛


● 福禄寿(ふくろくじゅ)
福禄寿 名前は、幸福の福、身分をあらわす禄、寿命を表わす寿の三文字からなり、中国、道教の長寿神。南極老人星の化身であり中国の村や町に住み、人々の信仰を集めたといわれる仙人である。長い頭、長い顎鬚、大きな耳たぶをもち年齢千歳という。道教の三徳、福(子孫繁栄)、禄(財産)、寿(健康長寿)を備え、人の寿命を知るとされる。鶴と亀を連れて、左手に宝珠、右手に巻物を括り付けた杖をもつ姿が特徴である。招徳人望の神様として信仰されている。

ご利益:財運招福、延命長寿、立身出世、 招徳人(しょうとくじんぼう)


寿老人● 寿老人(じゅろうじん)
 福禄寿と同じく南極星の化身で、にこやかな微笑みをたたえ、手には経典を括り付けた杖、そして団扇(うちわ)や桃などを持ち、鹿を従えた姿が一般的に知られている。団扇は難を払い、桃は長寿のしるしで、鹿もまた長寿の象徴である。長寿延命、富貴長寿の神として信仰されている。
健康、長寿を授ける仙人。「元気で長生き」という現代に求められるテーマにぴったりの神。

ご利益:幸福長寿、家庭円満、延命長寿、 福徳智慧 ( ふくとくちえ )


弁財天● 弁財天(べんざいてん)
 七福神の中で、唯一の女神で、ヒンドゥー教では梵天(ぼんてん)の妃。元はインド河(水)の神であったが、やがて音楽の神、言語の神となり日本に伝わった当初は、弁才天と呼ばれた。その後、財宝・芸術に関係深い吉祥天の性格が吸収され弁財天といわれるようになり、財宝を授けてくださる神へとなったものである。知恵財宝、愛嬌縁結びの徳があり、芸能、学問の分野での成功。名誉を与えるとされる。金運をもたらすともされる。

ご利益:恋愛成就、学徳成就、諸芸上達、福徳施与(ふくとくせよ)

この新しい年が皆様にとって素晴らしい一年になりますように。