我が国では、少子高齢化が叫ばれて、もう久しいですが、高齢化社会っていったいどういう基準なんでしょうか。また、現在日本はどういう状況にあるのでしょうか?
ということで今回は 少子高齢社会って何?


● 日本の現状 → 超高齢社会
高齢者人口の推移1956年に国際連合が作成した報告書のなかで、老年人口(65歳以上人口)比率が4%未満を「若い人口」、4%以上7%未満を「成熟した人口」、7%以上を「高齢化した人口」と呼んでいる。近年では、老年人口比率(以下高齢化率)が7%以上14%未満の社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼んでいる。

 日本の高齢化率は、平成25年版高齢社会白書によると、65歳以上人口は3000万人を超え、平成24年10月1日現在、24.1%であり、「超高齢社会」となっている。また、極端な出生率の低下による子ども数の減少が加わり、近年では「少子高齢社会」という呼び方がされている。

 平均寿命が男性79.9歳、女性86.4歳と世界でも有数であることから「長寿社会」とも呼ばれている。


● 高齢化の国際比較 日本の急激な高齢化スピード
主要国の65歳以上人口比率海外に目を向けて、欧米先進諸国の高齢化の状況をみると、おおむね1950年頃には高齢化社会となっている。だが、その時点における日本の高齢化率をみると、それらの国々の約半分にすぎなかった。
 しかし、2000年時点での高齢化率では、我が国が諸外国を追い越して17.4%と最も高く、スウェーデンが17.2%、ドイツが16.3%、フランスが16.1%と続いている。
 
 今後もこれらの国々の高齢化率は増加傾向にあり、2020年頃から20%を超え始め、2040年から2050年頃にそれぞれピークに近い超高齢社会となることが予測されている。グラフには示されていないが、国連統計によるとスペインやイタリア等のいくつかのヨーロッパ諸国も2050年には高齢化率が30%を超えた高率になることが予測されている。

 高齢化スピードを比較してみるために、高齢化率が7%から14%へと倍増するまでの所要年数を調べてみると、フランスが114年と最も遅く、次いでスウェーデンの82年、アメリカの69年、イギリスの46年、ドイツの42年といった順であり、これらに比べると日本は24年という極端に短い期間で高齢化が進行している。グラフを見ても明らかなように、日本の高齢化率は1970年頃から急激な右肩上がりとなっている。2030年で30%を超え、2050年には39.6%になると予測されている。


● 出生率の低下による少子化

人口等推移・予測近年、出生率の低下により、子どもの数が減少している。合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)の推移をみると、第1次ベビーブームにあたる1949(昭和24)年に4.32であったものが減少しはじめ、1973(昭和48)年の第2時ベビーブームで出生数は増加したものの、それ以降は出生率・出生数ともに減少傾向が続いている。平成期に入ってからは、人口を維持するのに必要な水準(人口置換水準)である2.08をも下回るようになり、2005(平成17)年に過去最低の1.26を記録し、2012(平成24)年の時点で1.41となっている。
 日本の総人口は現在をおおむねピークとして、今後は長期にわたって減少していくことが予測されている。
 
 アメリカ合衆国を除く先進国では、日本と同様に合計特殊出生率の低下が見られ社会問題となっているが、フランスやスウェーデン、イギリス、オーストラリア、デンマークなどでは1990年代以降顕著な出生率の上昇が見られる一方で、ドイツやイタリアなどは、依然として出生率が低水準に留まっており、少子化問題は二極化の方向を見せている。


● 少子高齢化の要因 

我が国の急激な少子高齢化の主たる要因としては、出生率の低下による少子化と平均寿命の伸長の二つがあげられる。
 出生率低下・出生数減少の背景にはさまざまな要因が考えられるが、主たる要因として女性の晩婚化と出産年齢の高齢化、さらには未婚化という社会現象が考えられる。

 平均寿命の伸長は、2段階の死亡率低下によってもたらされた。まず、戦後の栄養状態の改善や公衆衛生の発達、抗生物質の開発普及をはじめとする医学・医療技術の発達、医療施設の整備、医療保険制度の整備、感染症の予防対策などによって、乳幼児や若年者の死亡率が低下し、平均寿命の延びがもたらされた。次いで、近年における平均寿命の延びは、国民の健康への配慮が高まった事や目覚ましい医療技術の発達により、脳血管疾患における死亡率の低下や病を抱えながらも延命が図られるようになり、主に中高年における死亡率が改善されたことが影響している。


● 家族構成の変化と一人暮らし高齢者の急増

 国税調査における平均世帯人員の値の推移では、1920(大正9)年から1955(昭和30)年までの間では大きな変化はみられず、約5人前後で推移していた。しかし、昭和30年代になってから減少しはじめ、平成期に入ると3人を下回ってしまい、2010(平成22)年には2.42人となっている。平均世帯人員数でみる限り、半世紀の間にほぼ半減している。この家族規模の縮小が生じた要因としては、戦後の復興期からの産業化による被雇用者の増加、それに伴う労働者の地理的移動性の増大、大家族制から夫婦家族制への移行、そして近年では単身者世帯の増加が大きく影響している。

 65歳以上の高齢者のいる世帯に限ってみると、我が国の高齢者の典型的な同居形態といわれていた「三世代世帯」は1975(昭和50)年の54.5%が2010(平成22)年の16.2%へと減少している。それに比べて「夫婦のみ世帯」は同時期に13.1%から29.9%へ、「単独世帯」は8.6%から24.2%へ、「親と未婚の子のみの世帯」は9.6%から18.5%へと増加している。高齢者だけで構成されていると考えられる「単独世帯」と「夫婦のみ世帯」が半数を超えている。


● 高齢化の地域間格差

 人口の高齢化には地域間における大きな格差が認められる。原因は、1955(昭和30)年頃より始まった高度成長期における、農村地方から大都市圏や都市部への若年世代を中心とする労働人口の移動である。この人口移動により、大都市圏や都市部では人口過密の問題が、地方では人口過疎と若年層が都市部へ移動したことによる高齢化の問題が出現することとなった。


● 高齢者福祉施策の総合化と少子化への取組み

平均余命の伸びという、人類が昔から望んできた輝かしい成果を、それぞれの人が活かせるように高齢者支援が適切に進み高齢者が元気であれば、社会全体が元気になり得る。介護サービスにさまざまな活動支援を連携させることで、介護予防につなげたり、より自己実現を支援しうる満足度の高い介護サービスの展開につなげるなど、高齢者福祉施策の総合化が求められている。同時に現役、子育て世代の働き方の見直しとしてのワーク・ライフ・バランスの促進や、未婚者に対する少子化対策等を積極的に実行に移し、共生社会の実現にむけて、持続可能な社会保障制度の確立が重要である。
(厚生労働省資料・総務省資料・内閣府資料 参照)
(新・社会福祉士養成講座 12 社会保障 13 高齢者に対する支援と介護保険制度 中央法規 参照 )