前回はマイナンバー(社会保障・税番号制度)の概要について調べてみました。今回は介護保険関連の書類や手続きに対する影響について調べていきましょう。
ということで今回はマイナンバーって何?②


● 介護保険関連の書類への個人番号の記載欄追加について

平成27年9月29日付け厚生労働省発行の介護保険最新情報Vol.497で下記の様式の変更が行われ、
個人番号の記入欄が追加されている。
・「介護保険負担限度額認定申請書」・「基準収入額適用申請書」・「高額医療合算介護(予防)サービス費支給申請書」・「介護保険 要介護認定申請・要支援認定 要介護更新認定・要支援更新認定 申請書」「介護保険 要介護認定・要支援認定区分変更申請書」・「介護保険 サービスの種類指定変更申請書」・「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」・「介護予防サービス計画作成依頼(変更)届出書」・「介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(更)届出書」
 
また、平成27年12月15日付けの介護保険最新情報Vol.506で、以下の書類についても同様に個人番号の記入欄が追加されている。
・「介護保険資格取得・異動・喪失届」・「介護保険 被保険者証交付申請書」・「介護保険 被保険者証等再交付申請書」・「介護保険 住所地特例 適用・変更・終了届」・「介護保険 高額介護(予防)サービス費支給申請書」 ・「介護保険特定負担限度額認定申請書」(旧措置入所者に関する認定申請)

  • この中で、比較的使用頻度の高い書類は、下記の3つの書類です。

・新規、更新時に申請を行う時に提出する
「介護保険 要介護認定申請・要支援認定 要介護更新認定・要支援更新認定 申請書」
・要介護状況に変更が生じた時に申請を行う時に提出する
「介護保険 要介護認定・要支援認定区分変更申請書」
・新規でケアプランを依頼した時、もしくはケアマネジャーの事業所を変更するときに提出する
「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」

それでは、一番関わりのある要介護申請について調べていきましょう。


● 要介護申請時の個人番号導入に伴う配慮について

申請書受付時の配慮 介護保険給付の申請書等に個人番号を記載することは、法令に基づく義務であるため、基本的には、申請等を行う者に申請書等への個人番号の記載を求めることとなるが、申請者等が高齢であることにも鑑み、申請受付時等の対応については、以下のとおりとすること。

  • 各種申請については、原則として個人番号の記載を求めることとなるが、その際、申請者が自身の個人番号がわからず申請書等への個人番号の記載が難しい場合等には、市町村の住民基本台帳又は住民基本台帳ネットワーク等を用いて当該申請者の個人番号を検索し、職員が記載して差し支えないこと。
  • 同一の給付の2回目以降の申請等の際には、保険者において初回の申請により当該申請者の個人番号を既に保有していると確認できる場合には、申請窓口において個人番号の記載を求めないこととしても差し支えないこと。

■ 本人による申請の場合

 本人が自ら申請を行う場合、保険者等で申請書を受け付ける際等に、①本人の番号、②本人の身
 元の2つを確認する必要がある。それぞれの場面で必要となる書類は下記のとおりである。

  • 番号確認

本人の個人番号カード、本人の通知カード、本人の個人番号が記載された住民票の写し等によって行われる。これらが困難な場合は、保険者等において、地方公共団体情報システム機構(住民基本台帳ネットワーク)への確認や、住民基本台帳の確認等によって番号確認をすることが可能である。

  • 身元確認

本人の身元確認は、(i)個人番号カード(ii)運転免許証 等(iii)官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、写真の表示等の措置が施され、個人番号利用事務実施者が適当と認めるもの((a)氏名、(b)生年月日又は住所が記載されているもの)などによって確認することとなる。これらによる確認が困難な場合には、公的医療保険の被保険者証、年金手帳など所定の書類を2つ以上提出させることにより確認する。(介護保険被保険者証と負担割合証等)


■ 代理人による申請の場合

代理人が申請を行う場合、保険者等で申請書を受け付ける際等に、(ア)代理権、(イ)代理人の身元、(ウ)本人の番号の3つを確認する必要がある。
それぞれの場面で必要となる書類は下記のとおりである。

  • 代理権の確認

代理権の確認は、法定代理人の場合は、戸籍謄本その他その資格を証明する書類、任意代理人の場合は委任状によって行われが、これらが困難な場合は、本人の介護保険被保険者証など官公署等から本人に対してのみ発行・発給された書類その他の保険者が適当と認める書類で確認することとなる。

  • 代理人の身元確認

代理人の身元確認は、(i)代理人の個人番号カード、運転免許証 等(ii)官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、写真の表示等の措置が施され、保険者が適当と認めるもの ((a)氏名、(b)生年月日又は住所が記載されているもの)(居宅介護支援専門員証等)などによって確認することとなる。これらによる確認が困難な場合には、公的医療保険の被保険者証、年金手帳など所定の書類を2つ以上提出させることにより確認する。

  • 本人の番号確認
本人の番号確認は、原則として、本人の個人番号カード(又は写し)、 本人の通知カード(又は写し)、本人の個人番号が記載された住民票の写し等によって行われるが、これが困難な場合は、保険者等において、地方公共団体情報システム機構(住民基本台帳ネットワーク)への確認や、 住民基本台帳の確認等によって確認することが可能である。

■ 本人、代理人による申請以外の場合

ア 代理権の授与が困難な被保険者に係る申請を行う場合本人が認知症等で意思表示能力が著しく低下しており、代理権の授与が困難である場合等には、申請書に個人番号を記載せずに受け付けること

イ 代理権のない使者による申請の場合本人の代わりに使者が申請書の提出を行っただけに過ぎない場合は、個人番号が使者に見えないよう、申請書を封筒に入れて提出する等の措置を行わせること。また、この場合、使者が利用者本人に代わって申請書等に個人番号を記載することはできないこと。また、提出を受け付ける際は、本人から郵送により個人番号の提供を受ける場合と同様の本人確認措置を行うこと。

留意事項:郵送による提出の場合は、本人確認のための書類は、写しにより申請を受け付けて差し支えないこと。

平成26年度に開催された全国介護保険担当課長会議、全国介護保険・高齢 者保健福祉担当課長会議において自治体から寄せられた質疑等について、Q&A を抜粋。
(問)
居宅介護支援事業者の職員や施設職員などが申請代行を行う場合、これらの者が被保険者の個人番号を知り得ることになるが、個人番号の漏洩や悪用を防ぐためにどのような方策があるのか。

個人番号の取り扱いには十分に注意しましょう!(答)
事業所が、本人の委任を受け、マイナンバーを記載事項に含む申請書の代理申請を行うことは可能。この場合、代理人は代理権の範囲内(申請行為の授権のみ)で業務を行っているに過ぎないため、これを超える範囲で個人番号を取り扱うことは認められないことについて周知する。たとえば、本人の委任の範囲を超えて、申請時に視認したマイナンバーを控えて事業所にストックしておくことや、それを利用して保険者に資格確認を行うことなどは許されず違反をした場合、特定個人情報保護委員会の措置命令やそれに背いた場合の罰則の対象となる可能性もある

※原則的には申請書類に個人番号を記載するとされているが、困難な場合は、個人番号欄を空欄にして提出しても受け付けをすることとされている。リスクの面からも無理に記載する必要はないと判断できる。