先日、訪問中にQさんのご家族から「最近おじいちゃんむせが多くなってきたの。お茶を飲んでるときに咳き込んじゃって、しばらく大変だったのよ」「なんででしょうね?」というはてな?をいただきました。という事で、今回は!

第二回 むせ込みって何?
まずはじめに、私たちの口の奥はどのような構造になっているのか調べてみましょう。

通常呼吸をしている時は、矢印のように鼻から入った空気は軟口蓋(なんこうがい)という鼻から喉に通じるドアが開けられ、喉頭蓋(こうとうがい)という気管、肺に通じるドアも開け放たれ空気の出入りが行われています。
{大きく口を開けた時に見えるのどちんこは軟口蓋の先端で口蓋垂(こうがいすい)と言います。}

食道は筋肉でできているため、食道の入り口は呼吸しているときは自然に閉じています。

では食べ物を飲み込むときはどのようになっているのでしょうか?右の3つの図を参考にしながら順番に食べ物の流れを追っていきましょう。

1:口に取り入れた食べ物は、かみ砕かれ、舌、口唇、頬の運動により唾液と混ぜ合わされ舌の上で飲み込みやすい塊にまとめられます。この飲み込みやすくなった食べ物の塊を食塊(しょっかい)といいます。
2:次に舌を使い口から咽頭(のどの奥)へ食塊を押し込みます。つまり口を閉じてごっくんとする時で、飲み込もうと意識しておこないます。

この時、軟口蓋は、食塊が逆流しないで正しく食道に送られるように鼻へ通じるドアを閉めます。

3:次いで喉頭蓋は気管に通じるドアを閉めます。もちろん口も閉じられていますので食塊は無事に食道へ送り込まれるというわけです。

この時同時に声門も閉じられ呼吸も一瞬止まっています。

この複雑かつ絶妙な連携プレイは、延髄にある嚥下中枢の統率のもとになされ、口から胃まで固形物で4〜5秒、水分で1秒というスピードで反射的に無意識におこなわれています。

以上が食べ物を飲み込みときの口の奥の仕組みです。
実際はかなり複雑な構造になっていますが、ここでは簡単にまとめさせていただきました。

むせ込みとはどのような時に起きるのでしょうか?

加齢や病気など色々な原因により、嚥下の反射運動が低下してしまう
と、軟口蓋(鼻へ通じるドア)や喉頭蓋(気管へ通じるドア)を閉じるタイミングが遅れてしまい、食べ物の一部が気管に流れ込んでしまいます。この事を誤嚥(ごえん)と言います。

むせ込みとは、この誤嚥を防止するための防御反応の事をいいます。
つまり気管に入った食べ物を、咳をすることにより、気管の外に出そうとする反応の事です。

これは専門用語で咳嗽反射(がいそうはんしゃ)と言います。

誤嚥に対する咳嗽反射が低下すると、誤嚥性肺炎を起こしやすくなりますので、十分な注意が必要になってきます。

今回、はてな?をいただいたQさんのご家族が言われたように、
おじいちゃんのむせが多くなってきたのは、嚥下の反射運動が低下してしまっていることが考えら れます。また、お茶のようなさらさらした物は飲み込みのスピードが速いのでむせ込みやすいと 一般的に言われています。
とろみがついた食べ物は飲み込みのスピードがゆっくりなので、比較的むせ込みが少なく飲み込め るようです。