皆様、「血糖値スパイク」とか、「かくれ高血糖」とか聞いたことがありますか?
最近書籍や健康関連のテレビなどで、血糖値に関する情報を見聞きする機会が増えているようです。ということで今回は、
血糖値についてのあれこれ


● 血糖値とは

 血液中のブドウ糖の濃度のことで 
血液1dl(100ml)中のブドウ糖○○㎎  mg/dl(ミリグラムパーデシリットル)で示されます。
 
インスリン  ブドウ糖は私たちの体を構成している数十兆個とも言われる細胞すべて、脳や筋肉、臓器を動かして生命を維持していくために欠かすことのできない大切なエネルギーです。
食事をして栄養素が取り込まれるとその中の炭水化物が分解されブドウ糖となり小腸から血液中に取り込まれ、血流に乗って体中の細胞に届けられます。

 血糖値は食事や様々な原因で変動しますが、細胞は常に活動しブドウ糖を必要としているので、私たちの体には血糖値を一定に保つ仕組みが備わっています。

 そこで鍵となるのがインスリンというホルモンです。

 

● インスリンはどのような役割?

  インスリンの働きインスリンは膵臓のランゲルハンス島という細胞にあるβ細胞でつくられます。
 食事によって血糖値が上がると膵臓のβ細胞がすばやく反応しインスリンを分泌します。血糖が全身の臓器や細胞に届くとインスリンの働きによって血中のブドウ糖を必要なだけ細胞に取り込みエネルギーとして使用します。

 肝臓では取り込んだブドウ糖をグリコーゲンに変え貯えておき必要なときにエネルギーとして使うために体内に放出します。筋肉でもエネルギーとしてブドウ糖を吸収します。脂肪細胞もブドウ糖を取り込んで脂肪に変えて貯えます。

このように食後に増加した血糖はインスリンによって速やかに処理され血糖値は一定に保たれています。

 もしインスリンの量が少なかったり、分泌されてもうまく働くことができなくなると血糖の高い状態(高血糖)が続いてしまいます。

● 高血糖が続くとどうなるの?

 血糖値の判定区分 (糖尿病治療ガイド2016-2017より抜粋)
  正常型: 空腹時血糖 110㎎/dl未満 または 糖負荷検査2時間後140㎎/dl未満
  糖尿病型:空腹時血糖 126㎎/dl以上   糖負荷検査2時間後 200mg/dl以上

  正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型と言います。

● 糖負荷検査(75gOGTT)

 10時間以上絶食した空腹時に血糖を測定、その次にブドウ糖75gを水に溶かしたブドウ糖液を飲み、直後、30分後、1時間後、1時間30分後、2時間後の血糖を測定する検査。


● 高血糖の状態が長く続くと体の中でどういうことが起こるのか

 血管の細胞内で活性酸素が多く発生し血管内側の内皮細胞を傷つけ血管の機能を低下させます細い毛細血管ほどとくにダメージを受けやすく毛細血管が集中している網膜や腎臓に起こりやすいのです


● HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

 血糖値とともに糖代謝の指標にされる検査項目ですが、いったいどういうものなのでしょう。
ヘモグロビンとは赤血球の成分のひとつで血色素とも呼ばれます。全身の細胞に酸素を送る働きをしており寿命は120日です。

血液中のブドウ糖とヘモグロビンが結合したものを糖化ヘモグロビンと言います一度ブドウ糖と結合すると寿命が尽きるまでそのままの状態なので、血糖値が高いほどHbA1cの値は高くなり、採血時からさかのぼり2ヶ月間くらいの平均血糖値を反映しています。

4.4%~5.8%が正常値です

血糖値スパイク● 血糖値スパイクとは

食後数時間のうちだけに起きる一時的な血糖値の正常値を越えた急上昇(140㎎/dl以上)と急降下で棒グラフにするとまるでスパイクシューズの針のような図になることから言われ始めた造語です。

● かくれ高血糖とは

 普段、健康診断などでは空腹時血糖の検査しか受けないことが多く、食後の血糖値を測定する機会があまりありません。自分でも気づかない間に一時的に高血糖になっていることがあることをかくれ高血糖と呼ぶようです。


● 血糖値スパイクが引き起こすと考えられるリスク

・活性酸素が大量発生し血管を痛める→動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞
・高インスリン血症で脳にβアミロイドが蓄積→アルツハイマー型認知症
・活性酸素の大量発生し遺伝子を傷つける→がん

  • 糖尿病(前兆を把握できれば予防も可能)

 血糖値スパイクについては10年以上前から存在は知られていましたが、最新の化学で起こさないための生活習慣が言われるようになりました。


● 血糖値スパイクを防ぐ生活習慣

 ・三食きちんと食べる 
 ・欠食しない 
 ・食事の間隔を空けすぎない 
 ・よくかんでゆっくり食べる 
 ・炭水化物中心の食事は避ける 
 ・食べる順番 
  野菜から食べる(ベジタブルファースト)野菜がないときは大豆製品から食べる(ソイファー
  スト)次に魚や肉のタンパク質(フィッシュセカンド) 最後にご飯やパンや麺の炭水化物に
  すると血糖値の上昇が緩やかになる
 ・間食しすぎない 
 ・過度なダイエットはしない(筋肉量が減ってしまう)
 ・食後ゆっくりしないでちょこちょこ動く
 (食後1時間以内に散歩や掃除、買物など軽く体を動かす)階段を使う、歩く等心がける 
 ・睡眠をしっかりとる 
 ・ストレスをためない
                                                  寛 聡子


参考文献:健診・人間ドッグではわからない!かくれ高血糖が体を壊す(池谷敏郎著) 
糖尿病、認知症、癌を引き起こす血糖値スパイクから身を守れ(NHKスペシャル取材班著)