皆様ご承知のように、平成21年4月から介護報酬が改定されました。
今回は、厚生労働省の資料を参考にして、介護報酬改定の概要について調べていきましょう。

平成21年度介護報酬改定の概要

Ⅰ 基本的な考え方

改定率について

近年の介護サービスを巡っては、介護従事者の離職率が高く、人材確保が困難であるといった状況にあり、本年の通常国会で「介護従事者等の人材確保のための介護従事者の処遇改善に関する法律」が成立したところである。

こうした状況を踏まえ、平成20年10月30日に、政府・与党において「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」として、平成21年度介護報酬改定率を3.0%とすることが決定された。


介護保険改定率 3.0% (うち、在宅分1.7% 施設分1.3%)

基本的な視点
平成21年度の介護報酬改定については、次の基本的な視点に立って改定を行う。

(1)介護従事者の人材確保・処遇改善
 介護従事者の離職率が高く、人材確保が困難である現状を改善し、質の高いサービスを安定的に提供するためには、介護従事者の処遇改善を進めるとともに、経営の効率化への努力を前提としつつ経営の安定化を図ることが必要である。
このため、
各サービスの機能や特性に応じ、夜勤業務など負担の大きな業務に対して的確に人員を確保する場合に対する評価
介護従事者の能力に応じた給与を確保するための対策として、介護従事者の専門性等のキャリアに着目した評価
介護従事者の賃金の地域差への対応として、介護報酬制度における地域差の勘案方法(地域区分毎の単位設定)等の見直し
を行う。

(2)医療との連携や認知症ケアの充実
①医療と介護の機能分化・連携の推進
介護が必要となっても住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、医療から介護保険でのリハビリテーションに移行するにあたり、介護保険によるリハビリテーションの実施機関数やリハビリテーションの内容の現状等を踏まえ、医療と介護の継ぎ目のないサービスを効果的に利用できるようにする観点からの見直しを行う。  

 また、利用者の状態に応じた訪問看護の充実を図る観点からの評価の見直しや、居宅介護支援(ケアマネジメント)における入院時や退院・退所等の評価を行う。

介護療養型老人保健施設については、療養病床からの転換が円滑に進められるよう、状態に応じた適切な評価を行うという観点から評価の見直しを行う。

②認知症高齢者等の増加を踏まえた認知症ケアの推進
「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告を踏まえ、認知症高齢者等やその家族が住み慣れた地域での生活を継続できるようにするとともに、認知症ケアの質の向上を図るため、認知症行動・心理症状への緊急対応や若年性認知症の受け入れへの評価、認知症高齢者等へのリハビリテーションの対象拡大、専門的なケア提供体制に対する評価を行う。

また、居宅介護支援(ケアマネジメント)や訪問介護において、認知症高齢者等へのサービスの評価を行う。


(3)効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証
① サービスの質を確保した上での効率的かつ適正なサービスの提供
介護サービス事業の運営の効率化を図るため、サービスの質の確保を図りつつ、人員配置基準等の見直しを行う。 例えば、訪問介護事業所のサービス提供責任者の常勤要件、夜間対応型訪問介護事業所のオペレーター資格要件、小規模多機能型居宅介護の夜勤体制要件、介護老人保健施設の支援相談員の常勤要件等必要な見直しを行う。

 また、介護保険制度の持続性の確保及び適切な利用者負担の観点から、居宅系施設に入所している要介護者への居宅療養管理指導や介護保険施設における外泊時費用を適正化するなど、効率的かつ適正なサービス提供に向けた見直しを行う。

② 平成18年度に新たに導入されたサービスの検証及び評価の見直し
平成18年度に新たに導入された各種サービス(新予防給付・地域密着型サービス等)について、より多くの利用者に適切に利用されるよう、サービスに対する評価の算定状況、普及・定着の度合いは事業者の経営状況等を把握した上で、より適切な評価の在り方についての検討を行い、必要な見直しを行う。


(4)各サービスの報酬・基準見直しの内容
地域区分の報酬単価の改定(東大和市の場合)。地域区分の報酬単価(単位数単価)とは、1単位当たりの単価のことで、単位数に単位数単価を乗じた額が介護保険の費用総額となる。
    <現行>              <見直し後>
     3%        →        5%  
訪問介護 10.18円             10.35円
通所介護 10.18円             10.23円
訪問看護 10.12円             10.28円      
 介護報酬の改定 (訪問介護の場合)
     <現行>      →       <見直し後>  
 身体介護1(30分)231単位           254単位
 生活援助2(60分)208単位           229単位

例)訪問介護の場合
<現行>は、身体介護1(30分)の単位数は231単位であり、単位数単価10.18円を乗じた2351円が費用の総額となり、1割分の236円が利用者負担となっていた。
<見直し後>は、身体介護1(30分)の単位数が254単位、単位数単価が10.35円となる。これらを乗じた額2628円が費用総額となり、1割分の263円が利用者負担となるので、一回につき、27円の負担増となる。