第三回 嚥下・摂食困難の介護のポイント

最近 ①むせやすくなった
   ②食事に時間がかかるようになった
   ③噛めない物が増えて食事を残すことが多くなった

高齢者の方がこのようなことが多くなり、食べにくさを感じるようになった時は食事の形態を見直す時期の目安と言えます。

それでは、どのような食事の形態が望ましいのでしょうか?

早速調べていきましょう。

適した食事の形態とは→対処法・調理法

1.食材の大きさ、硬さが均一であること
 食材の大きさ、硬さにばらつきがあると噛み砕きにくく、飲み込みやすいかたまり食塊(しょっかい)にまとめることが難しくなります。
  
→食材の大きさは小さすぎず、その人にあった大きさとし2cm角より小さめ(通常、咽頭から食道に落とし込める食べ物の大きさは最大2cmといわれています)がよいでしょう。
舌でつぶせる程度のやわらかさに煮る、ゆでる、蒸す。
 加熱してもやわらかくなりにくいものは、加熱した後にミキサーやフードプロセッサーすり鉢などですりつぶしたり、うらごしをすると飲み込みやすくなります。
2.適度な粘度(ねばり気)とまとまりがあること
  噛んだときに口の中でバラバラになったり、咽頭を通過するときにバラバラになるも        
  のは飲み込みにくくなります。

→単に小さくきざんだ『キザミ食』は、嚥下が困難になってきた方にはかえって危険です。
 片栗粉、くず粉でとろみをつける、ゼラチンよせにする、粥、山芋、マヨネーズ、かぼちゃなどねばり気のある食材と合わせたり、市販の増粘剤を利用するのもよいでしょう。

3.飲み込むときに変形し、すべりがよいこと
  咽頭を通過するときに変形しにくいものは当然飲み込みにくくなります。

→変形しやすいやわらかさにまで調理する。スムーズに咽頭を通過できるような形態に仕上げる(ゼラチンゼリー、プリン、ババロアのような形態)。

4.口の中や咽頭にへばりつきにくいこと
 口の中の粘膜や咽頭にへばりつくものも当然飲み込みにくくなります。
 例として(焼き海苔やワカメなどの海藻類、かまぼこやはんぺんなどの練り製品
 餅、食パン、あんこ、ホクホクした焼き芋など)

→適度な水分や脂肪分、とろみを加えてへばりつきにくくするか、このような食品は控える。
とろみもつきすぎるとへばりつきやすくなるので注意が必要です。

食事をする時の介護のポイント

1. テレビやラジオを消し、食事に集中しやすい静かな環境に整える。

2. 寝起きやぼんやりしているときは、手や顔を拭く、口をゆすぐなどして、しっかり覚醒した状態で食事を始める。おいしそうな盛り付けや匂いで食欲をそそり、これから食事をするという意識をもってもらう。

3. できれば食卓の椅子に腰掛け、足の裏全体が 床に着いているのが望ましいが、ベッド上で食事をする場合もできるだけ上半身を起こし、視線を落としたところに食事があるのがよい。

4. 介護者が食事を口にはこぶ場合
  目線を同じ高さに合わせ、前方から表情を見ながら介助します。

1回に口に入れる量は、ティースプーン1杯位を目安とします。多すぎるとあふれたり、喉に詰まらせたりする危険があり、少なすぎると嚥下反射が起きにくくなるのでその人に合った量を見つけましょう。

おいしさは上唇で感じとることができるので、スプーンを下唇の上にのせ食べ物が上唇に触れるようにします。口の中に食べ物が入り、口唇が閉じたらやや斜め上向きの方向にスプーンを抜きます。

ごっくんと飲み込むときは喉ぼとけが上下に動くことで分かりますが、口の中に食べ物が残っていないか確認し、次の食べ物を口にはこびます

片麻痺のある方は麻痺の無い側の口角から、食べ物を口に中に入れます。麻痺のある側の頬の内側に食べ物がたまりやすいので注意して観察します。

食事がはかどらないからと長い時間をかけると、疲労し集中力も欠け、誤嚥しやすくなったり、喉に詰まらせるおそれがあります。45分以内を目安とし、不足する分は間食や次の食事で補いましょう。

ワンポイント

毎回の食事の準備はなかなか大変です。  電子レンジやミキサー、フードプロセッサーなどの調理器具を利用し、多めに作り、小分けにして冷凍したり、市販のレトルト食品や缶詰、嚥下困難者用の食品を上手に活用してみてはいかがでしょうか。