2017年の1月に、この広報誌で「キラーストレスって何?」を書きました。
NHKスペシャルで放送された内容を書籍化されたものを参考にしました。現代人はさまざまなストレスを抱えて日々生活しています。その中には死に至るような重大な事態に陥ることもあるようです。そうならないためにも、その対処法について調べていきましょう。という内容でした。

キラーストレスで死なないための対処法として、コーピングとマインドフルネスの二つの方法についての概要を書きました。
今回、コーピングを自分で実際にやり始めましたので、前回よりももう少し詳しく調べていきたいと思います。

ということで、今回は、コーピングって何?

● コーピングについて
   
 ストレスに立ち向かうためにはまず、自分がどのようなストレス状況にあるのか、そしてその影響がどれくらい自分に及んでいるのか、できるだけ客観的に把握することが大切となる。
 
 その方法として、コーピングという手法がある。英語のcope(=対処する)に由来する。数多くの研究で実績が証明されているストレス対処法である。

コーピングまず、ストレスがかかったときにどんな気晴らしをすれば気分がよくなるのか、あらかじめリストアップしておく。例えば「音楽を聴く」「本を読む」「買い物をする」といった簡単な内容である。リストが出来上がったら、実際の生活の中でいろいろなストレスがかかる度にそのストレスに見合った気晴らしをリストからピックアップして実行する。その結果、実際にストレスが減ったかどうかを自分で判断する。まだストレスを感じていたら、さらに同じ気晴らしを続けたり、別の気晴らしに切り替えたりしてみる。 
 要するに、気分と行動の関係に気づく。その行動がもし良かったら、それを繰り返して、習慣化していくことが重要になる。


● コーピングと「認知行動療法」 
 
 コーピングを行う際の基本姿勢として常に大切にすべきなのは、自分にいまどのようなストレスがかかっているのか、「ストレスのモニター」を忘れないことである。そのためには、自分が置かれた状況を客観的に観察し、どのようなストレス反応が現れているかを確認することが大切となる。
そのバックグラウンドにはしっかりとした理論と実践の積み重ねがある。それは、うつ病の再発防止やパニック障害などに高い治療効果が認められ、臨床心理学の主流ともなった「認知行動療法」である。簡単に説明するなら、「その人が抱えるストレスの問題を、本人の認知や行動のパターンを変えることで解決する治療法である」

例えば)ちょっと散らかった部屋でも、「仕事場は完璧に整頓すべき」と考える人にとっては、「この汚い部屋は絶対許せん!」と認知され、ストレスの元になる。いったんストレスが生まれると、気分は悪化。「掃除しろ」と怒鳴り散らそうものならば、血圧上昇など身体反応へと連鎖していく。

 元をたどればストレス反応の連鎖は、「完璧に整頓すべき」という認知の「癖」から発している。こういうタイプの癖があると、何につけても「◯◯すべき」と思ってしまい、ストレスを抱えがちになる。こうした認知の癖は、ほかにも「他人は信用できない」「どうせ嫌われる」など無数にある。

 そんな「思い癖」のせいで、気分や行動、身体反応が連鎖して、しまいにはネガティブな認知につながるという悪循環を引き起こす。そして、気分はさらに悪化し続ける。
この悪循環を断ち切るにはどうすれば良いのだろうか?
まずは、自分を客観的に観察し、どんな認知の癖を持つのかを自覚することがカギとなる。(これは簡単なことではないので、専門家の力を借りて、自分の癖を認識することが必要であることも多い。)
そして、ストレスを感じたとき、認知の癖がもたらす連鎖反応を起こさないようになんらかの対策を講じることで、ストレスに支配されることを止める。それが「認知行動療法の基本」である。

ストレスを感じている自分の状態を客観視し、自分に合った対策を講じるコーピングは、認知行動療法そのものである。

● 実際にコーピングをやってみよう

実際にコーピングをやってみようコーピングのためのスペシャルガイド(臨床心理士の伊藤絵美さん提案)

① できるだけたくさんの気晴らしをリストアップする

 ここで大切なのは「質より量」だということ。私たちは、生きているだけでさまざまなストレスがのしかかってくる。刻々と積み重なるストレスには、たとえ効果が小さい対策でも、日常生活でこまめに実施できるものが役に立つ。だから、手段は数が多ければ多いほど良い。ストレスを感じた時、その場の状況に応じて実行可能なものを意識的に使っていく。その目安として、伊藤さんはカウンセリングや研修の場で100個のリストを作るように指導してきた。
たとえばリストの(59)に」「鳥の唐揚げでビールを飲む」とある。ただビールを飲むだけでなく、好物のつまみを具体的に加えている。唐揚げでなくてもその他のつまみになればリストも増える。
気晴らしの内容をより具体的にしていくだけで、リストは増えるし、効果も上がっていく。

② 「認知するコーピング」も効果がある

 リストの(50)「初恋の彼女とばったり会う妄想」(51)「宝くじが当たったと妄想」など、何かを思い描くこと、あれこれ想像することもストレス対処法として挙げられている。これは「認知するコーピング」と呼ばれている。必ずしも実際の行動を伴わなくてもよく、頭の中で想像するだけでも効果を期待できるのである。このことは、日々のストレス対処にとって大きな意味を持っている。なぜなら、コーピングで重要なのは、継続しやすいということだからだ。たとえささいな気晴らしでも、ストレス対策の効きめがあるなら、毎日続けることで大きな効果が発揮される。

③ 作成したリストを持ち歩く

 ストレスは、できるだけ早く対処して、積み重ならないようにすることが大切である。そこで推奨されているのが、自分なりに挙げた100個のコーピングを印刷し、持ち歩くということである。そして、ストレスを感じたときに取り出して、その場でできるものを選んで実行するのだ。
こまめな対処が、キラーストレスの発生を防ぎ、心や体の病から自分を守ることにもつながる。

④ ストレスを客観的に観察する

 コーピングを行う際の基本姿勢として常に大切にすべきなのは、自分にいまどのようなストレスがかかっているのか、「ストレスのモニター」を忘れないことである。そのためには、自分が置かれている状況を客観的に観察し、どのようなストレス反応が現れているかを確認することが大切。「頑張るストレス(仕事のノルマに追われているようなときに生じるストレス)」であれば、血圧が上がるなど、体の不調が現れやすい。我慢するストレス(何かを耐え忍ぶ状態を継続しなければならない状況のストレス)」であれば、気分の落ち込みや不安など、心理面に影響が現れやすい。そして「頑張るストレス」にはダウン系、「我慢するストレス」にはアップ系のストレス対策を意識的にぶつけることで、効果は格段に上がるはずである。

⑤ 時には正面突破の問題解決も

 最後にひとつ、きわめて大切なことを付け加えておかねばならない。コーピングは、ストレス
による心理的ダメージから、気晴らしで意識をそらすということだけではないのだ。時と場合によっては、自分にストレスを与えている原因そのものから目をそらさずに向き合い、真正面から問題解決を図ることこそが、唯一のコーピング、すなわち
「意識的な自分助け」となる場合もある。
例えば、常識を超えた劣悪な労働条件の中で、とことんストレスフルな日々を送っている人が増えている。こうした場合は場合は、自分の労働環境が抱える問題と正面から向き合うことだけが真に選択すべきコーピングとなる。つまり、労働環境が正常化するよう、雇用者や労働基準監督署に働きかける、あるいは別の職場を選ぶということだ。


アロマディフューザー 私も実際、100個のコーピングリストを作り実践している。とりあえず試してみることが大切であり、新しい発見がある。私はストレスを感じると肩が張ってくるので、肩の張り具合がストレスのバロメーターになる。アロマのラベンダーを焚いてみたら、肩の張りがやわらぐ事がわかった。肩が張ってきたらラベンダーを焚くようにしている。
 その他に効果があると思われるのは、「手嶋葵の唄を聞く」「餃子を作る」「成功のストーリーを思い浮かべる」「おもしろそうな人を見つけたらバックグラウンドを想像してみる」「地図を眺めて現地をイメージする」「土をさわり感触を確かめる」「冷えたプチトマトを食べる」などを実践している。
リストが沢山あると、次はどれを試してみようかなど、結構楽しみながら取り組める。
皆様もやってみたらどうでしょうか。新たな発見があるかもしれません。


(参考書籍:NHKスペシャル取材班 キラーストレス 心と体をどう守るか NHK出版新書 抜粋)