5月の連休を利用して、立川防災館へ応急手当普及員講習に行ってきました。最近街中でAEDを見かける機会が多くなり、以前から講習を受けてみたいと思っていたのでやっと実現しました。講義と演習そして最後にテストの3日間で長いと思っていましたが、終わってみると、いろいろな職業や年代の方々が参加しており、楽しく、充実した時間を過ごす事ができました。とういことで、今回は

AEDって何?

● AEDとは?
皆さん、AEDと聞いて、まずは何を頭に思い浮かべますか?東京マラソンで芸人の松村さんが突然倒れた時に活躍しましたよね。心臓を動かす機器なんでしょうか?その為にショックを与えたりするんでしょうか?その辺りを調べていきましょう。

AEDは(Automated External Defibrillator)の略称だそうです。日本語に訳すと、自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき)となります。自動体外式はわかりますが、除細動器が、よくわかりません。
細動を除く機器という意味にとれますが、この細動というのはいったい何の事でしょうか?


● 心臓の働きと細動の関係
 それではまず、心臓の働きについて簡単に調べていきましょう。心臓は全身に酸素を運び、戻ってきた血液(静脈血)を取り入れ、それを肺に送り、十分な酸素を取り入れた血液(動脈血)を全身に送り出すポンプの機能があります。

 心臓は自ら持っている電気興奮のリズムにより、心臓の筋肉を規則正しく動かしています。

それは、刺激伝導系と呼ばれ、右の心臓の図の左上の洞結節(どうけっせつ)から電気刺激が発生し、赤いラインに沿って、房室結節(ぼうしつけっせつ)→ヒス束へと伝わり、左右に分かれ、扇状に広がり、心室の筋肉を収縮させて、血液を心臓から送り出しています。 


 右の図は正常な心電図の波形です。規則正しく波打っているのがわかると思います。

 それでは、細動とはどういう現象の事をいうのでしょうか。細かく動くという意味にとれます。つまり心臓の筋肉が細かく動いている状態ということになります。心臓の筋肉が細かく動くということは、心室の筋肉を収縮させて血液を送り出すポンプとしての役割を果せなくなってしまうことを意味します。

その代表的な状態として、心室細動(しんしつさいどう)と呼ばれる重症な不整脈があります。特に急性心筋梗塞ではこの不整脈が発生する危険性が高まります。

急性心筋梗塞とは左の図の心臓を栄養する,冠状動脈(かんじょうどうみゃく)[冠のように心臓を包み込む重要な動脈で、左右1本ずつ、左は途中で2本に分かれるので計3本で形成]という血管が詰まり、そこから先に血液が運ばれなくなり、心筋の血液が不足した状態となります。死亡率が高く、突然死を引き起こす代表的な原因となっています。


 右の図が心室細動の心電図の波形です。不規則に細かく動き、震えているような状態がわかると思います。この状態では心臓のポンプ機能はゼロとなり、心停止の状態です。そのまま放置すれば、心静止となってしまいます。

※心停止と心静止
◇心停止とは心臓が動いていても心臓本来の役割である血液の拍出が出来ていない状態。
◇心静止とは全く心臓が動いていない状態。

AEDの役割
 AEDは「突然の心停止」の原因となる重症な不整脈である心室細動や心室細動に移行しやすい心室頻拍(しんしつしんぱく)[右図の波形]に対して、心臓に電気ショックを与えることにより、細動を取り除き、心臓が本来持っているリズムに回復させるために行うものです。

早期除細動の重要性
 これまで救急の現場に居合わせた人(バイスタンダー bystander と言います)が適切な処置が出来る人が到着するまでの間に、救命の為に行なうべきこととして、心肺蘇生法の人工呼吸と心臓マッサージ(現在は胸骨圧迫と言う)が推奨されてきました。

しかし、突然に倒れる人の大半は『心室細動』が原因であるといわれており、心室細動は心臓マッサージだけで命を救うことはできません。「電気ショック」(=除細動)が最も有効な方法です。

現在、救急車が要請を受けてから、現場に到着するまでの全国平均時間は6〜7分です。

左の図は心停止から除細動までの時間と生存率です。心停止から1分経過するごとに7〜10%生存率が低下しています。2分後で75%の生存率も、10分後には0%近くになってしまいます。

できるだけ早く除細動を行うことが、傷病者の生死を決めます。

心室細動を放置すると、心静止となり、除細動は無効になります。除細動が効果を示す心室細動を継続させ、同時に脳の血流を保つための心肺蘇生を続ける事が重要になります。


市民による除細動の普及と安全性
 国の政策として多くの市民がAEDを使用し傷病者を救うという考え方により、2004年7月以降、非医療従事者によるAEDの使用が奨励され、普通救命講習や上級救命講習等の各種講習会の受講も勧奨されています。それに伴い、公共施設を中心にAEDの設置が広く普及してきています。

AEDは高性能の心電図自動解析装置を内臓しており、心電図を解析し、除細動が必要な不整脈を判断します。小型軽量で携帯にも支障がなく、操作は簡単で、電源ボタンを押すと(又はふたを開けると)、機器が音声メッセージなどにより、救助者に使用方法を指示してくれます。
また、除細動が必要ない場合にはボタンを押しても通電されないなど、安全に使用できるように設計されています。
※講習会でも音声メッセージの通りに操作を行うので、とても簡単に使用することができました。