厚生労働省は2018年11月30日、人生の最終段階の終末期にどのような医療やケアを受けるか事前に家族や医師などと話し合いを重ねる過程を指す「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」について「人生会議」という愛称で呼ぶことを決めた。愛称をつけることでACPを普及、浸透させる狙いがある。

2019年11月25日には、「人生会議」を啓発するポスターを出したが、患者団体からの批判を受け、翌日に発送を中止している。意図が上手く伝わらず、残念な状況となったが、騒動による思わぬ余波により、結果的には多くの人が「人生会議」を知ることになった。

ということで、今回は 人生会議って何?


● アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは?
 ACPロゴマークACPは終末期に病状が悪化し、本人が意思表示できなくなる場合に備え、将来の治療方針や療養場所について家族や医師などと話し合いを重ねる過程を指す。欧米で普及しており、本人が望む医療やケアを実現できるとして厚労省は周知を目指している。

人生会議の選定委員会の座長は、「『うちもそろそろ人生会議しよう』というように、日常会話になることを期待したい」と話している。


● もしもの時のために「人生会議」(ACP)
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。
命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることが、できなくなると言われています。

自らが希望する医療やケアを受けるために大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを、自分自身で前もっと考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。

 話し合いの進め方(例)

                            厚生労働省:人生会議(ACP)普及・啓発リーフレット参照


● もしものための話し合い 【もしバナゲーム】

もしバナゲーム  人生の最期にどう在りたいか。だれもが大切なことだとわかっています。
でも、なんとなく「縁起でもないから」という理由で避けていないでしょうか。
このカードを使えば、そんな難しい話題を考えたり話し合うことができます。また、ゲームを通して、友人や家族にあなたの願いを伝え、理解してもらうきっかけ作りにもなります。
周りの人々とゲームをしておくだけで、いざというときの判断がしやすくなるのです。(もしバナゲーム説明書より)

このゲームは、亀田総合病院で緩和ケアや在宅医療に取り組む医師らが立ち上げた一般社団法人が開発したゲーム。ゲームの中では、重病の時や死の間際に「大事なこと」として人が口にするような言葉が記してあるカードを使い、余命半年の想定で大事にしたい言葉を選ぶようになっています。

自分自身の価値観を考え、一緒にプレイする人と語り合うように設計されているため、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の一端に触れるような体験にもなります。
もともとは、米国の団体の作成・販売するカードゲーム「GO WISH」を忠実に日本語へ翻訳した上で、日本語版独自のルールを加えています。

ゲームのやり方を説明しましょう。説明書には3種類のやり方が記載されています。
もっともポピュラーなレクレーションルール(ヨシダルール)を説明します。
このルールでは、自分自身が大切にしていることを考え、それらを言葉にし、さらに他のプレイヤーの価値観を聴くことで、新たな気づきを得ることができます。
カードは全部で36枚
(※1枚はワイルドカードで、35枚に書かれていない独自の希望があるときに使います)

1. 4人1組で、各プレイヤーに5枚ずつカードを配ります。次に場に5枚のカードを表向きに置きます。残りのカードは中央に積んでおき、積み札とします。

2. 各プレイヤーは、自分の順番が回ってきたら手札の中から不要なカードを1枚、場に置かれたカードと「必ず」交換します。1週した後に順番が回ってきた際に交換し たいカードが場にあれば「交換」、なければ「パス」します。一度「パス」した後でも、その後の場に欲しいカードが出てきた場合は再度「交換」することも可能です。

3. 全員が「パス」をした時点で場のカードを流します。積み札から新たに5枚のカードを場に表向きに置きます。

4. 2,3を繰り返します。中央の積み札が無くなって、場のカードが流れたらゲーム終了です。

5. 各人が手元にある5枚のカードから特に大切なカードを3枚選び、その理由を考えます。

6. 一人ずつ選んだカードを披露して、それぞれの思考過程を他のプレイヤーに説明します。

詳しくはこちらをご参照ください。


● 実際にやってみて感じたこと
私も実際にやる機会がありました。私の大切な3枚のカードは、
3枚のカード①家族の負担にならない 
②呼吸が苦しくない 
③いい人生だったと思える でした。
選んだ理由は、
①最後は一人で迎えるものと思っているので、なるべく家族には負担をかけたくないと思っていること
②父親が肺炎で亡くなっており、苦しそうな様子を見ているので、それはなるべく避けたいと思っていること
③幸せな気持ちで悔いのない最期を迎えたいと思っていること

このカードゲームの面白さは、自分の大切にしていることを改めて確認できることです。
また、人が交換して捨てたカードを自分が大切に思い、それを選んだりすることです。
それぞれが大切にしているものが違うことに改めて気付かされます
カードには重病な時や死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書いてありますので、重い内容を改めて自分で考えるより、カードを選ぶという簡単な方法なので、精神的な負担が少ないように思います。

何度か行いましたが、その時のカードの巡り合わせで選択するカードは違ってきます。その人が体験したエピソードやその時の精神状態や身体状態によって、変化していくことも考えられます。
そのため、繰り返しの意思の確認が必要だと思いました。

いきなり人生会議とかしこまらず、まずは、自分や家族が何を大切にしているかを確認する作業からはじめてみるのは、良い方法だと思います。そのためにはもってこいのアイテムだと思います。
もしバナゲームはインターネットでも販売をしています。イーライフの事務所にも1セットあります。興味のある方はお貸ししますので実際にやってみてください。