平成12年(2000年)から開始された介護保険制度は、3年周期で介護保険法の改正、報酬の改定で行われます。今回も平成29年に、介護保険法の改正が行われ、平成30年4月より、介護報酬の改定が行われます。医療保険の診療報酬の改定は2年周期で行われます。そのため、6年ごとに介護保険の介護報酬と医療保険の診療報酬の改定が重なります。
 
 平成30年の4月は、重なる年となり、介護保険と診療報酬のダブル改定となります。(障害福祉サービスの報酬改定も重なり、トリプル改定とも言われています)どのような改定となるのでしょうか。
ということで、今回は 平成30年度介護報酬改定について


 ● 平成30年度介護報酬改定の概要

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、国民1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、平成30年度介護報酬改定により、質が高く効率的な介護の提供体制の整備を推進。

    平成30年度介護報酬改定  改定率:+0.54%

Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進
  中重度の要介護者も含め、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けることができる体制を整備
Ⅱ 自立支援・重度化防止に資する質の高いサービスの実現
  介護保険の理念や目的を踏まえ、安心・安全で、自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスを実現
Ⅲ 多様な人材の確保と生産性の向上
  人材の有効活用•機能文化、ロボット技術等を用いた負担軽減、各種基準の緩和等を通じた効率化の推進
Ⅳ 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保
  介護サービスの適正化・重点化を図ることにより、制度の安定性・持続可能性を確保

 


居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの所属する事業所)の業務について
 
注)全体的に医療・介護連携が促進されます。

【主な内容について】

● 基本報酬が1.0%〜1.1%上がります。
           <現行>       <改定後>
要介護1、2     1042単位/月  ⇒  1053単位/月 【+11単位(+1.0%)】
要介護3、4、5   1353単位/月  ⇒  1368単位/月 【+15単位(+1.1%)】

 ターミナル期に頻回に利用者の状態変化の把握等を行い、主治の医師等や居宅サービス事業者へ情報提供するケアマネ事業所に対する評価を設ける。
・ケアマネジメントプロセスの簡素化
(主治の医師の助言等によりサービス担当者会議の招集を不要とする等)
・ターミナルケアマネジメント加算 400単位/月 (新設)

 医療機関との連携により積極的に取り組むケアマネ事業所について、入退院時連携に関する評価を充実するとともに、新たな加算を創設する。
・入院時情報連携加算について、入院後3日以内の情報提供を新たに評価する。

 退院・退所加算について、退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価するとともに、医療機関等との連携回数に応じた評価とする。加えて、医療機関におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価する。

 特定事業所加算について、医療機関等と総合的に連携する事業所(※)を更に評価する。(平成31年度から施行)
  特定事業所加算(Ⅳ) 125単位/月 (新設)

※特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)のいずれかを取得し、かつ、退院・退所加算の算定に係る医療機関等との連携を年間35回以上行うとともに、ターミナルケアマネジメント加算を年間5回以上算定している事業所

● 平時からの医療機関との連携促進
  • 利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた医師に対して ケアプランを交付することを義務付ける。
  • 訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、 ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことを義務づける。
● 管理者要件の見直し
  • 居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、 3年間の経過措置機関を設けることとする。
● 地域における人材育成を行う事業所に対する評価
  • 特定事業所加算について、他法人が運営する居宅介護支援事業所への支援を行う事業所など、地域のケアマネジメント機能を向上される取組を評価することとする。
● 契約時の説明等
  • 利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため、利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける事業所について、 複数の事業所の紹介を求めることが可能であることや、当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であることを説明することを義務 づけ、 これらに違反した場合は報酬を減額(所定単位数の50/100に相当する単位数(運営基準減算))する。
● 訪問回数の多い利用者への対応
  • 統計的に見て通常のケアプランとかけ離れた回数(※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、ケアマネジャーは区市町村にケアプランを 届け出ることとする。区市町村は、届けられたケアプランの検証を行い、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の 有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。※「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成30年4月に国が定め、10月から施行。
 

● その他の居宅サービスの主な改定点について

  • 障害福祉の指定を受けた事業所について、介護保険の訪問介護、通所介護、短期入所生活介護の指定を受ける場合の基準の特例を設ける。
  • 訪問介護の身体介護として行われる「自立支援のための見守り的援助」を明確化するとともに、身体介護に重点を置くなど、身体介護・生活援助の報酬にメリハリをつける。
  • 生活援助の担い手の拡大。訪問介護について、介護福祉士等は身体介護を中心に担う(機能分化)とともに、生活援助については、人材確保の裾野を拡大するとともに、新研修を創設して質を担保する。
  • 福祉用具について、商品ごとの全国平均貸与価格の公表や、貸与価格の上限設定を行う。(平成30年10月)
  • 訪問看護ステーションからのリハビリ専門職の訪問について、看護職員との連携が確保できる仕組みを導入するとともに、基本サービス費を見直す。 平成30年度介護報酬改定
  • 通所介護の基本報酬のサービス提供時間区分の見直し等。2時間ごとの設定としている基本報酬について、サービス提供時間の実態を踏まえて1時間ごとの設定に 見直す。
  • 長時間の通所リハビリテーションの基本報酬の見直し。3時間以上の通所リハビリテーションの基本報酬について、同じ時間、同等規模の事業所で通所介護を提供した場合の基本報酬との均衡を考慮しつつ見直す。