写仏

 何年も前から考えているが、なかなか実現していない事がある。奈良のお寺巡りである。今年は何とか行けそうなので、秋に予定している。しかし、お寺に関する知識はほとんどなく、ただ行くだけでは楽しめないので、まずは予備知識を身につけようと思い、何か関連した書籍はないかと書店を回り探していた。
 
 すると、「なぞるだけで心が癒される写仏入門」という本を見つけた。
般若心経を書き写す写経はやったことがあるが、写仏という言葉自体初めて知った。おもしろそうなので購入した。とても優しい内容で、まずは仏像について解説されていた。

 【解説】:仏教が日本に伝えられたのは6世紀半ばのこと。その時に仏像も一緒に伝わり、信仰の対象となりました(ちなみに、日本の現存する仏像の中で、一番古いのは奈良の飛鳥寺にある飛鳥大仏)。それから1400年以上の年月が流れましたが、仏像は変わらず、日本人の心のよりどころになっています。仏像は仏の像と書きますが、そもそも仏とはなんでしょうか?ひと言でまとめると、「悟りを開いた人」のこと。そして、仏教の開祖であるお釈迦さまは、まさに「悟りを開いた人」でした。お釈迦さまが入滅すると、後世の弟子は信仰のよりどころを求めるようになりました。最初はお釈迦さまがその下で悟りを開いた菩提樹や、お釈迦さまの足跡「仏足石」がその対象でしたが、最終的に仏像になったのです。そのような経緯から、初期の仏像はお釈迦さまの姿かたちを写したものばかりでした。その後、仏教が世界的に広まっていくと、さまざまな仏像が造られるようになったのです。
 
釈迦如来仏像は大きく分けると、「如来」「菩薩」「明王」「天」の4つに分ける事ができる。一番位が高いのが如来で、菩薩、明王、天・・・と続く。
如来は、お釈迦さまをモデルにした釈迦如来以外にも、阿弥陀如来や薬師如来がいる。菩薩の中に含まれるのは、「観音さま」の観音菩薩と「お地蔵さん」の地蔵菩薩。如来とは異なり、菩薩はまだまだ修行中の身。修行をしながら人々を助けている。明王といえば、背中に燃え盛る火焔を背負い、忿怒の表情をしているのが特徴。この近辺だと、高幡不動尊が有名である。天の仏像はさまざまな姿かたちをしている。それは、古代インドのバラモン教やヒンドゥー教など、仏教以外の神さまが取り入れられたものが多いのが理由である。七福神でもおなじみの大黒天や毘沙門天も、このグループに属している。
 
阿弥陀如来まずは右上の写真の釈迦如来の写仏をしてみた。下絵をボールペンでなぞっていくだけであるが、思ったよりも上手くいかない。その時の心の状態がボールペンの線の行方を左右するようである。心を落ち着けて、次は左の写真の阿弥陀如来を写仏してみた。線の行方が最初より少し落ち着いてきた。そしてやっているうちに楽しくなってきた。

 写仏をすることにより、今まで高貴な存在であった仏像が、少し身近に感じられるようになってきた。そして、秋の奈良を待ち遠しく思いながら、遅咲きの桜の下で春の到来を楽しんでいる。合掌〜!