小さな恋のメロディ

 今年は桜の開花が早く、それでいて割と長く桜の花を楽しむ事ができた様に感じる。公園の賑わいが一段落すると、まもなく新緑の季節がやってくる。

 一年の中で一番好きな季節である。なんとなく、胸がわくわくしてしまう。5月生まれということもあるのだろうか。森や山の色が彩度を増してくる情景に躍動感を感じる。また、新緑の匂いや雨上がりの土の匂いを身体全身で感じた子供の頃を思い出す。峰から霧が晴れていく情景はとても気持ちの良いものである。しかし、この季節は短く、紫陽花の花の開花とともに駆け足で過ぎ去ってしまう。とても貴重な季節である。

 この季節になると子供の頃にテレビで観た映画を思い出す。イギリス映画の「小さな恋のメロディ」である。良い年をして、恥ずかしくなるような映画の題名であるが、思い出してしまうのだからしょうがない。同時期にこれまたテレビで観た「ゴッドファーザー」もとても印象に残る映画であった。アル・パチーノ扮するマイケルコルレオーネがレストランのトイレの中で拳銃がなかなか見つからずに手こずっていた光景は、今でも思い出すとドキドキするが、今回は新緑にふさわしくないので控えさせていただく。

ダニエルとメロディ 小さな恋のメロディ:1971年のイギリス映画、脚本はアランパーカー、出演はマーク・レスター(ダニエル)、トレイシー・ハイド(メロディ)舞台はイギリス。伝統的な価値観を受け継ぐパブリック・スクールで、ささやかな対立がはじまっていた。厳格な教えを説く教師たちや子供に干渉する親たちと、それらに従うことなくそれぞれの目的や楽しみを見つけようとする子供たち。どちらかと言えば気の弱い11歳のダニエルもそんな生徒の一人だったが、同じ学校に通うメロディという少女と出会う。二人はいつしか互いに惹かれあい、悩みを打ち明け、はじめて心を許す相手を見つけたと感じた。純粋ゆえに恐れを知らない恋の激しさはやがて騒動を巻き起こし、旧弊な大人を狼狽させる。事情を聴くこともなく押さえつけようとする大人たちに対し、二人は一つの望みを口にする。それは「結婚したい」という驚くべきものだった。「どうして結婚できないのか」と問うが当然親も教師もとりあわない。ある日、教師が授業を始めようとすると教室はほとんどもぬけらの空であった。自分達の手で2人の結婚式を挙げようと同級生らが集団でエスケープしたのである。(解説はウィキペディア参照)

 映画の音楽が印象的であり、ジョン・トラボルタのサタデーナイトフィーバーで有名なビージーズが担当している。ディスコミュージックとは打って変わって、「メロディフェア」「若葉のころ」は優しい音楽でとても癒される。エンディングで、二人がトロッコをこぎながら旅立っていくシーンはとても爽快であり、いったいどこへ行くんだろうとドキドキしたことを思い出す。

 出演の二人の無垢な可愛さと、大人社会への反抗というテーマのギャップに何ともいえず心を揺さぶられる。年々忘れかけつつあるドキドキする感覚を思い出させてくれる映画であり、毎年、新緑の季節の到来を告げてくれている。